マタハリのライブと、数と、併走について

最近、無駄に寝不足で、しかも書きたいこと山積み。読みたいもの山積み。メールしたい人いっぱい。しかし要領悪い私は、山積みのまま、また無駄に寝不足を続けている。今日早く寝るぞー。

でも、佐藤研二さんのライブ終わって思ったこと、ちょっとだけ書きたい。
どんなライブだったかを書くと長くなる、が、とにかく楽しいライブで。
来て下さった方、応援してくださった方、本当にありがとうございます。

うちでライブをやってくださるミュージシャンの殆ど多くは、参加してるバンド、または出演する場所によっては、そこにいるお客さんの数は、数百人だったり、数千人だったり、もしかしたらフェスなんかで万単位って時だってあるのかしらどうかしら?
そういう場所を経験してる人が、うちで演奏する。
うちは30人ぐらいでいっぱいで、40人ならもうキツキツ。20人でもなんとかいい感じ。10人以下ではさすがに空間が寂しいなあ。
5人、とか、10人、の差が、空間に大きく変化を及ぼす。20人の差なら
かなり大きい。
でも、例えば3000人入るホールで2980人と3000人の量の差は、無いに等しい。そういう場所を経験してる人たちが、うちの10〜30の20差を前にして、チラシを作り、宣伝し、時としてお客さんを呼ぶのに苦労したりする。
そういう事実に、ちょっとだけ苦笑する。
んー、けどね、私はしばらく前に大友良英さんが言ってくれた言葉が、ものすごく大きな支えになってるのよ。自分の音楽を愛する人が呼んでくれる場所に、それを聴こうとするお客さんがいて、そういうところで演奏することが幸せだ、と。
今回は、佐藤研二さんのライブには、1週間前での予約はほんのわずかで、それでも近付くにつれ予約も入ってきた。
結果としてお客さんの数は、15名様。決して多くはない。
でも、そこには、「ねえお願い、義理で来て」みたいな形で呼んだ人はいない。佐藤さんの音楽をはじめて聴く人も含めて「聴きたい」と思って来て下さった人ばかりで、そして本当に幸せなことに、もしかしたら全員? いやとにかく殆どの人が来て良かったと、楽しかったと、凄かったと、そのように思ってくれたようであった、ということ。
結果としての15人、というよりも、私は15という種のように思えた。この種は、ここで終わりではなく、また何らかの形できっと繋がり、広がっていく種だ、と。

終わった後、いつものように佐藤さんと一緒にごはんを食べながらしみじみと語り合う。よかったね、本当によかったね、と。
佐藤さんと一人一人のお客さんを思い出し、感謝して。
うん、時としてものすごくたくさんの「数」を前にすることもある佐藤さんが、この日の一人一人に感謝してるんだ。そういうこと、私は、その人たち一人一人に丁寧に伝えたいよ。

私は、人との繋がりを思うとき、いつもマラソンの光景が頭に浮かぶんだ。
走る行為は1人だけど、なんとなく、一塊の群れをなして走っている。
その群れの人は、様々な理由でどんどんと変わっていく。ずっと一緒にと思ってもやむない理由で変化していく。
だから、約束はしたくない。ずっと一緒にいようね、とは。
けど、心の中でひそかに想う。どこまでかはわかんないけど、この人と行けるところまでは一緒に併走して行きたい、と。
佐藤研二さんのライブは、私にとってそう思うことのひとつで、そのライブと一緒に年を重ねて行きたいなと、ライブが終わるたびにいつもいつも思うんだ。