きよし話

常連Nさんが「きよし」の話を届けてくれました。
NHK「のど自慢」、ゲストは氷川きよしだったそうです。
きよしがゲストだと、出演者のおばあちゃんなどよろよろと近付いてって、きよしをぎゅっと抱きしめて離さないそうです。
で、今日は70代ぐらいの、おじいちゃん、と呼ぶにはまだ若く見える男性が歌を歌って鐘2つ。
歌い終わった男性の元にきよしが近付きます。
男性は、きよしと握手・・・というか、手をぎゅっと握って離さないそうです。そして、しまいにはきよしにぎゅーっと抱きついたそうなのね。

ところで氷川きよしってのはきれいな顔の男の子なので勝手にとっても小柄なのだと思ってたのですが、実は身長が177cmだそうです。だから抱きついちゃったおじちゃんも、ホント「抱きつきっ!」みたいな絵面だったのでしょう。
で、私はその話を聞いた途端、ちょっと涙腺にきてしまいました。
犬のように「泣いてよしっ!」みたいな号令がかかればすぐさま涙腺決壊です。そしたらNさんもそれ見て泣きそうになったとおっしゃってました。そうだよねえ。

きよしと、抱きつく70代のおっちゃん。
ハチミツとクローバー」の中で私がもっとも号泣した「ニャンざぶろうのバイトをしているローマイヤ先輩」みたいじゃないの。
寂れた遊園地で「ニャンざぶろう」という、ゆるキャラぬいぐるみの中に入るバイトのローマイヤ先輩。でも、みんながそのニャンざぶろうに抱かれに行くのね、主婦もヤクザもおじいちゃんも。
あれが、あれがなんでか私は何度読んでも涙腺決壊のツボなんですが、そおか、きよしはニャンざぶろうさんだったんだなー。

ところで、Nさんが「70代ぐらいのおじいちゃん・・・、いや、おじいちゃんって感じじゃないか・・・」と言ってて、昔の私なら70代はおじいちゃんだと思ってたのに、今ではそれに違和感があるのは、私の父が75歳になったからなんだろう。もっとも父には孫がいっぱいいるので、名実共に「おじいちゃん」なんだろうけど、私にはまだ「おとうさん」なのは、ここ20数年、父と会ったのは数えられるほど少なくて、私の頭の中には20年以上前の父の姿でストップしているからなんだろう。
昨日、その父が脳梗塞で倒れたと電話があった。明日、病院に行ってくるけど、会うのって一体どれぐらいぶり?
私はのぶねえさんにきよしの話を聞きながら、一瞬、きよしに、またはニャンざぶろうさんに抱きつくうちの父、というのを想像してしまったんだ。
それはさ、なんでかわかんないけど、やけに涙腺に来る想像なんだよなー。