7月1日 夜 ホタルを見に行く

夜8時にカデーの家に行き、カデーと彼の友人、そして私とTAKEDAでホタルを見に行きました。

彼の家から出てすぐ、アユン川に下りる小道に入ります。
何の照明もなく、ただ月明かりのみです。
しかもこの日は夕方は雨で、それがやんだあとの曇り空。時折雲の合間から月がちらりと顔を出すぐらいです。
私たちは小さな懐中電灯を1本ずつ買っていきました。カデーたちはタバコの火だけです。「これで大丈夫」みたいなことを言ってます。
彼らは私とTAKEDAを間に挟み、ゆっくりと、でも軽やかに真っ暗な道を川に向かって下りていきます。
ずいぶんと歩いて歩いて、途中から膝がガクガクと笑ってきますが、がんばって歩いて歩いて、周囲からはカエルの声が聞こえて、そして下の田圃の付近から、ホタルがちろちろと飛んでいる小さいけどしっかりした真っ白い光が見えてきました!
私は、ホタルを見るのって初めてです。あんなふうにきれいに飛んで光るんだねー!
真っ暗な田圃の真ん中にある大きな岩の上がいいと、カデーはそこに登り、私たちを引き上げてくれました。しかし岩の上は夕方からの雨で濡れていて、座れません。
カデーはちょっと待っててと、明かりを持たないまま、真っ暗な小道を走り、近くから大きなバナナの木の葉っぱを3枚、手でちぎって持ってきました。葉っぱだって濡れているのに、と思ったけど、その大きな葉の裏側は濡れてないんですよね。それを岩の上に敷いてくれ、私たち4人はその上に座りました。まるで童話の中の挿絵のようではないですか。静かで、真っ暗で、その中でホタルを見てました。
インドネシア語なのでたいした会話はできず、「雨じゃなかったらもっとホタルは多い」とか「ホタルを見るのははじめて」とか「きれいだね」とか、同じような会話を繰り返すばかりですが、とてもいい夜でした。

しかしバリの人たちはやはりみんな目がいいんだな。
私たちが懐中電灯を持っててもゆっくりしか進めない道を、小さなタバコの光だけで平気で走っていけるのだから。