織音工房の酒井弘美さんのこと

織音工房の酒井弘美さんのメルマガを取ってる方ならもうご存知でしょうが、10年前の11月、名古屋でEPOの自主企画ライブを行って以来、ずっと休むことなくライブの企画、主催をしてきた酒井さんが、その活動を期間を決めずにお休みするそうです。
今日、酒井さんが来てくれて、直にそのお話を聞きました。

うん。まずは、お疲れ様です。
これまでずっと、次の予定が決まっていない、ということがない10年だったそうです。しかも、これで彼女は糧を得ていたわけではありません。幾つか仕事を掛け持ちし、生活していく中、フライヤーを作り、宣伝活動をし、そして彼女は本当にきっちりと集客するのです。その彼女の音楽を愛する姿勢や一生懸命さに、どんどんと彼女に名古屋のライブをお願いするミュージシャンも増えていったようです。
彼女が関わったライブは、私の知る限りですと、ショーロクラブ、笹子さんと笹子さんがいろいろと携わるミュージシャンの方々、ハシケン鈴木亜紀、NUU、大島保克、良原リエ、さねよしいさこ、くものすカルテット、Saigenji、ハンバートハンバートアン・サリー・・・と枚挙に暇がありません。
とりあえず今はゆっくり休んで、出来ればもう少し、自分の体のことも見直して欲しいな、無理いっぱいしてるし。
そしてこの10年とは少し位置を変えたところで、音楽を楽しんで欲しいです。

ただ、本当に彼女の功績はとても大きい。
デカい声で派手なパフォーマンスで強い力で人を集めたり呼んだりするタイプではなく、本当に静かな人で、中身は面白いんだけどもそういうのをおおっぴらに外には出さず一見地味でコツコツと。んー、なんか私の知ってる人でイベント企画する人って、何故かこういう人が多いなあ。
私は酒井さんは名古屋の財産のひとつだと思っているのです。こういう人がいるから、いろんなライブが行われたと思う。そして、そこから、誰かにとっての何かが始まっていったかもしれない。
演奏する人がいても、お客さんがいても、その間に入って動く人がいないと、そこに何かが芽生えていくこともないのです。

表現する人がいないと始まらないしさ。
でも、それを紹介したり、招いたり、宣伝する人がいないとダメで。
そして、それが行われる場所がいる。私のいるポジションは、ほんの末席ですけどここですね。
そしてそして、それを楽しむ人、何がなんでも聴きたい、聴こうという意思を持った人がいないと成立しないし。
実に実に当たり前のことだけども、人が財産。どのポジションにも人が必要で、そのどれもが大切です。

酒井さんのお休みの間は、酒井さんという宝の箱の扉が、少しだけ閉められてしまいます。
だからゆっくり休んだら酒井さん、酒井さんのペースでまた、いろんなライブを企画して欲しいです。


しかし、気付いてみれば、またまた新しいイベントを企画する若い人たちがどんどんと出てきてて、私はその人たちにとても期待しています。
先日、ライブ情報を掲載したフリーマガジン「スーフリ」を発行し、OTONOTANIに関わったり、その他刺激的なイベントを企画しているたけべくんとか。
それから「おんがくはみんないい子です」を企画しているシノちゃんとか。
個性的なライブを企画している海月猫さんとか。
他にも、いっぱい、いっぱい。
20代から30代の人たちが企画するイベントの多くは、大きな資本に頼らず、手作り感があって、いろんなメディアがミックスされた、しかも質のいいイベントを行っている感があります。私たちのバブル期の頃は、スポンサーが取れたし、スポンサーがあって成立してたものでしたが、今はそれがないのが当たり前、というところから立脚してるのね。うん、なんか、いいことだと思うわこれは。
私も心から応援しています。
イベントのフライヤーなど、店内にいつでも置いたり貼ったりしますので、企画者の方は是非、遠慮なくお持ちくださいね。