限定された女の園の中で男差別を幻視する

地下鉄では女性専用車両に乗る。
若い女の子たちのお喋り。化粧品や香水の甘やかな香りが漂ってくる。
ところが次の駅で、この女性の園に一人、サラリーマンの男性が入り、席に座る。きっと女性専用車両に気付いていない。携帯のチェックをずっとしている。
不思議だ。異様だ。
周囲は全部女性。別に誰もその男性に注意をしないけれど、みんなちらちらと見ている。この男性がいつ気付くか。気付いたらどうするのか。もしかして誰かがこの男性に何か言ったりするのか。そんな好奇心とか?
異様。異様。隣はみんな男性も女性も乗ってるのに、なんの境もない「女性専用車両」と書かれたこの1車両に1人の男性が乗っているだけなのにこの違和感。
しばらくして、また一人男性が乗り込む。しかし、閉まった扉の「女性専用車両」の表示を見て、慌ててその人は隣の車両に走っていく。この反応もどこか異様。

何故かここだけ、すごい男性差別の磁場が生まれてたりして。
なにあれ、とか、くせえんだよ、とか、とっとと出てけ、とか。
みんな何故かこの瞬間だけは、呪うようにそう思ってたりして。
こういうとき、女性は意地悪く連帯しますから、なんてことを想像してる私。