「ユリ子のアロマ」

さてシネマテークに着いたら、なんとびっくり。
この回のシネマテーク、男性客ばかりじゃん!!
受付を済ませた人も、その後に来る人来る人、みんな男性。ええーー?!
一番前に座る。一番前の席は他のお客さんも結構座ってて、男性同士が隣り合ってるけど、私の両隣だけは何故か席が空いている。なんか可笑しい。

映画は、「時効警察」でサネイエさんを演じてた江口のりこが匂いフェチの女を主演。吉田浩太監督の前作「お姉ちゃん、弟と行く」でも主演しています。そしてもう一人の主役は「パンドラの匣」でも主演した染谷将太。かわいい顔なのですが、少年の抑圧やら歪みを好演してます。
↓こちらは「江口のりこ」公式プロフィールです。
http://www.knockoutinc.net/profile/eguchi.html
江口のりこは「時効警察」でも不思議な存在感でしたけど、この映画で観ると、この人は薄い胸でとてもスレンダーで、しかもなんだかいい骨格をしている。ちょっとびっくりした。これは女性が好きだと思う体だなあ。
唇だって実にかわいいんだ。知らなかった。けれども、モテなさそうな役が似合う。暗い目がよく似合う。エロとはもっと離れた所にいるようなイメージ。だからこそ、この映画のこの役が、すごく引き立っていた。
ちなみにエロってなんだろうねえ。変態ってなんだろうねえ。
匂いで欲情するってことは変態なんですか? おいしい匂いでテンション上がったり洗濯物のいい匂いとかで嬉しくなったりするのと、どこが違うのでしょうか。
しかし、この映画に寄せられた言葉を見ていると、およそエロとは遠くにあるような江口のりこが、男の子の匂いを嗅いでいることとか、少年が望んでいるまさに臭そうで汚そうな場所とか、そういったいろんな要素がミックスされて、それが観ている人独自の純粋エロに結晶させていくのだなあ。主に男性の、そういうエロに対する多様な感受性が、私はちょっと羨ましい。
そういう意味では、すべて、その微妙なエロスで筋が通った映画だと思いました。
そこでそんなに寝ちゃわないでしょ、と思うけど、何も知らずに寝ている無垢な相手に、こんなにいやらしくなっちゃう私、というシチュエーションとか。最後の美保純がこんな反応をするのなら、彼女から溢れていたさばさばした母性や慈愛はなんだったのか(それは甥への気持ちを優先した、と取れなくはないけれども、しかしたかが甥だし?とも思った私だったのです)と思うのだけども、それよりも絵的に顔からぬるぬるしたローションが垂れまくる絵を優先したのかな、とか。