佐藤芳明アコーディオン・ソロ ゲスト照喜名俊典

5/30(日)は、マタハリアコーディオンの佐藤芳明さんのライブでした。
なんと佐藤さん、うちで5回目になりますね。最初が2006年の12月でした。

今回は関西方面+マタハリでの名古屋のソロツアーでした。
しかし、前日の奈良でのライブは会場のご都合で急遽中止になったそうでした。しかし、クラリネット奏者、瀬戸信行さんが京都にて投げ銭でのDUOライブを企画してくださったそうなのです。
大概、こういうときのライブって、いつも以上にいいものになるのだよなあ・・・なんてことを想像。
そして、マタハリでの今回はゲストにユーフィニアム奏者、照喜名俊典くんがゲスト出演!早めに名古屋入りして、某所で照喜名くんと2人でリハしてから、うちに入っていただきました。
うーん、なんかこういうのも、大概、その日のライブはいつも以上にいいものになるんだよなあ・・・なんてことも想像。
いろんな想像を重ねながら、お二人の入りを待つ午後5時少し前。

で、お二人登場。そして開演前に軽く合わせる。
PotHeadsの2nd「ハンサム」に入っている「BLUEBLACK LINE」を2人であわせてて、うわあっと思う!

ライブは1部が佐藤さんのソロ。照喜名くんに中に入ったら?と言うも、彼はずっと外で緊張してたのか、緊張をほぐしていたのか。
お客さんは開演までにすべて来てくださってたので、私もほぼ最初から中でゆっくりと聴くことが出来た。アコーディオンの音を体で受け止めるように聴いて・・・。そう、うちの店のライブのいいところは、「音を体で受け止める」感がしっかりとあるところじゃないかしら。カウンターの中で聴くのと客席側では明らかに音が違う。そういうことがはっきりとわかるほど、今、この音が私の体にぶつかってる、響いてるのがよくわかる。
目の前で繰り広げられる、あの鍵盤の上を走る左指は、そしてボタンの上を軽快に動き続ける右指は、どうなっちゃってんの?!と、毎度ながら感動しつつ、その指がまさに紡ぎ出してる音楽を堪能。

そして2部。2曲、佐藤さんがソロを演奏してから、照喜名くんの登場。
佐藤さんと照喜名くんのそれぞれの曲を2人で演奏していきます。今日、リハをやっただけ、とは全く感じられない演奏。
照喜名くんの持ち味とも言える、とてもハッピーな楽曲。
そして、先ほど書いた「BLUEBLACK LINE」。あのテーマを照喜名くんのユーフォニアムで吹くと、こんな風に優しくてやわらかい哀愁を感じさせる曲になるんだなあ。そして、この楽曲の良さに改めて気付いた。

照喜名俊典くんのゲスト参加は、TAKEDAが、「せっかく名古屋でやるのだから、ここでしか出来ないDUOをやってほしい」と思い、お二人に頼んで決まったのでした。5年ほど前、あるホールでのライブでお二人は一度、共演したことがあったそうなのです。それを聞いて、今回お願いしたのでした。
しかし、正直言って、ここまでいいライブになるとは思ってなかった私です。照喜名くんのプレイヤーとしての技術力の高さ、それがあって、二人の楽器の音の相性の良さや、音楽に対する真摯な部分のぶつかりあい、表現の混ざり合いが、この日一晩の音楽の幸福を作ってくれたんだなあ・・・なんてことを、ずっとしみじみ思いました。

ライブ後、いつものごとくマタハリのカウンターで、佐藤芳明さんと照喜名俊典くん、東京からはるばる来てライブをお手伝いしてくれたhonちゃんと共にお話しする。
まだ世の中に自分の名前が流通していない時代、自分がなにものになるのかさえ明らかではなかった時代に、選ぶひとつひとつ、進むひとつひとつ、出会うひとつひとつ。
そういうものは誰にでもあって、佐藤さんにも照喜名くんにもありまして、そういう話を聞くと、素晴らしいなあって思う。その時はどんなに自分の先が明らかでなくても、その時に目指すままに選んで、そして進むことが、どんだけ大切かって思うのです。

アンコールの最後の曲は、佐藤さんが去年、うちの店のためにプレゼントしてくれた曲、「ロジウラのトゥランブラン」を二人で。
なんて幸せなことでしょうか・・・。

また今日も人が集まって、その日に音楽は生まれ、体を通り抜けて、そして記憶だけを残して去っていく音楽に晒さる日々。いとおしいです。

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佐藤芳明蛇腹活動報告
http://www.geocities.jp/acc_sssaaatttooo/ 
ジャズユーフォニアム奏者 照喜名俊典のウェブサイト
http://tterukina.com/