シュールなごはん

普通、飲食店やってるところだと、職業として食事を作る人がいて、でも賄いはその人ではなく別の人が作る場合が多いらしい。夫婦単位で仕事をしている店だと、店では夫が、賄いや休日は妻が、とか。けど、うちは賄いも休みの日も食事はTAKEDAが作ります。
さて普段は、ランチタイムが終了し、その片づけが終わる頃、TAKEDAは私たち2人の賄いを作り始めます。かなり真剣に。で、それを食べるのは、それぞれの手が空いた時、厨房で、TAKEDAと交代で食べます。TAKEDAが先に食べ、その後、私は3時くらいに、忙しいときだと5時くらいにお昼ご飯を食べます。

今日の私たちのお昼ご飯は、
さつまいもとカボチャのてんぷら、
ワカメとちくわとエノキダケの入ったお吸い物、
豆腐の上にタコスミートと熱々チーズとサルサソースがかかったもの、
玄米ご飯、
でした。
食べようとしたら、TAKEDAからすかさず、注意が入ります。
「その天ぷらは、おつゆの中につけて食べて!」
えええ〜? 私はおいもやカボチャなどの甘いほくほくした天ぷらは、つゆだのソースだのつけず、そのままの味を楽しむのが好きです。が、とりあえずは言われたとおりにしてみました。
「なんでおつゆに入れて食べないかんの?」
「だってそれは、『天ぷらそば 麺なし』なんだで」
その、ワカメとちくわとエノキダケの入ったお吸い物は、天ぷらを投入することで「天ぷらそば 但し、麺はなし」という状態になるというわけです。
そういえばしばらく前にも、「これは天おろしうどん 麺なし」とかいうものを作ってたなあ。
はたして、「麺なし」で「天ぷらそば」を名乗っていいものだろうか?
「で、そばの時とうどんの時と、つゆに違いがあるの?」
「ない! そばもうどんも一緒!」
「で、なんで今日はこれが『天ぷらそば 麺なし』なの?! 私は昼ごはんにシュールはいらんで?」

ちなみに、タコスミートやチーズなども、普通にご飯の上に乗せて「タコライス」でいいと思うんだけども、なぜか今日はお豆腐の上に。
「これは、タコスミートウフなんだて」
仕事のごはん以上に、賄いごはんを生き生きと作るTAKEDAでした。



そして、客席側では、こんなことが起こっています。