アジアン・ミーティング・フェスティバル

以前から書いているのですが、私は大友良英さんの書くもの(日記とかCDのライナーとか、その他もろもろ)の大ファンなのです。少なくとも日記に関しては必ず拝読しております。
で、読むと、いても立ってもいられないような落ち着かない気持ちになるのです、いつもいつも。
今回のアジアン・ミーティングだってそうです。
東京では10/23からの3日間、アサヒ・アートスクエアで開催されました。シンガポール、韓国、中国、そして日本の刺激的な表現者によるライブ、しかもそれが空間的なアプローチを取り入れたかなり特殊なライブとのことでした。

しかも大友さん自身が、「見逃した方は後悔してくださ〜い」と脅しをかけてくるのですよ。こ、これはいかん!という気になるではないですかっ!

大友さんの日記よりちょっと転載します。

「4月のPITINNからはじまって、7月のVacantの『without records』にはじまる5つの展示や、数多くの特殊ライブを経て、浅草の3日間で、やっとここまできたか・・・という個人的な感慨もありますが(3日間の変化も素晴らしかった)、でも、そんなこと以上に、多分、ここからはじまること、結構あるようなそんな予感が、初日から最終日を経て打ち上げに至るみなをみていたらしてきて、それがオレをとても幸せな気分にさせてくれました。
えへへ、見逃した人は後悔してくださ〜い。実はあのときにはじまってたのかっての、何年か後にかならず形になって見えるはず。」

どういうわけか、私はこの部分を読んで、うるっと来てしまうのです。
行けないのが悔しいとか、そういうことではないのです。
ああ、きっとこれはそうなるのだろう、本当に未来の起点がここにあって、いつか大きな感慨を持って振り返る一日になるのだろう。大友さんは、そういうことをちゃんと形にしていく人です。そういった、音と共にある大きな時間のうねりを想像するだけで、何やら涙が出てきてしまうのです。

名古屋では、名古屋の「アジアン・ミーティング」があります。
今週の金・土曜日です。

私たちの前にはいつも様々な選択肢が用意されています。
仕事 お金 時間 信用 欲望 好奇心 あれ や これ や。
さあ、どうする? そっちの選択でいいのか?
行かないか? 行くか? 行くか!
アジアン・ミーティング。

10/30(金)31(土)名古屋Tokuzo tel:052-733-3709
      open 18:00 start 19:00 前売り3,000円 当日3,500円+ order
      http://www.tokuzo.com
      チケットぴあ、Tokuzo店頭販売、電話E-mail予約

     アジアン・ミーティング・フェスティバル
     両日出演
     FEN(Far East Network)
     [大友良英(g) ヤン・ジュン (electronics)
      リュウ・ハンキル(electronics)
     ユェン・チーワイ (electronics) ]
     ザイ・クーニン (electronics)
     DJ Sniff 

     30日(金)
     渓(g) 竜巻太郎 (drums) 古田一晴(映像)
     竹市学(能管)臼井康浩(g)
     岡崎豊廣 (electronics)
     31日(土)
     小野良子(as)柳川芳命 (as) Craftwife
     菊池行記(electronics)from billy?
     桑山清晴:handmade electronics

出演者の詳細は以下の通りです。
FEN(Far East Network)
メンバー:大友良英、ヤン・ジュン、リュウ・ハンキル、ユェン・チーワイ
FENは、これまでお互いにほとんど交流のなかった東京、北京、シンガポール、ソウルといった東アジアの大都市の実験音楽シーンの中で独立独歩の活動を続けるキーパーソンたちと大友良英によるあたらしい関係性を模索する越境型のユニット。08年にマルセイユ実験音楽祭「MIMI Festival」に招聘されたのを皮切りに、その後も山口、東京、北京、上海などで演奏、09年はソウルでの公演も予定されている。すでにある音楽の形態をつかうのではなく、あたらしいネットワークがつくられるとき、いったいどのような音楽が生まれるのか……という発想がFENの原動力と言ってよい。即興演奏でつくられるライヴも演奏毎にまったく異なるものになっている。今後、このプロジェクトをきっかけに、これまで交流の少なかったそれぞれの都市に住むミュージシャン同士のネットワークがどう発展するのか、何が生まれてくるのか、大きな期待を担っている。

大友良英(おおとも・よしひで)
1959年生まれ。ギタリスト/ターンテーブル奏者/作曲家/プロデューサー。常に同時進行かつインディペンデントに多種多様な作品をつくり続け、その活動範囲は世界中におよぶ。ノイズやフィードバックを多用した大音量の作品から、音響の発生そのものに焦点をあてた作品に至るまでその幅は広く、ジャズや歌をテーマにした作品も多く手がけ、カヒミ・カリィ浜田真理子等のプロデューサーとしても活動する。また、映画音楽家としても田壮壮監督『青い凧』等の中国映画から相米慎二安藤尋足立正生といった日本を代表する映画監督の作品や、テレビドラマ、CFの音楽等、数多くの映像作品の音楽を手がける。近年は美術家とのコラボレーションも多く、自身でもサウンドインスタレーションを手がけ、2008年には山口市YCAMでの「ENSEMBLES」展を行う一方、障害のある子どもたちとの音楽ワークショップ、歌謡曲にも力をいれている。著書に『MUSICS』(岩波書店)、『大友良英のJAMJAM 日記』(河出書房新社)がある。http://www.japanimprov.com/yotomo/yotomoj/index.html

ヤン・ジュン(Yan Jun)
1973年中国甘粛省蘭州市生まれ、現在は北京在住。"音"と"言葉"の領域で作品を制作するアーティスト。ライヴではフィードバックや電子音に声/言葉を連動させ、かつ自身とその演奏環境の関係性をも反映させる手法をとる。また、フィールドレコーディングやサイトスペシフィックなインスタレーション、変調を用いた音響作品も手掛ける。1998年からレーベル「Sub Jam」を主宰し、2004年からは実験音楽をリリースする「KwanYin Records」に関わる。2005年から実験音楽のイヴェント「Waterland KwanYin」とフェスティヴァル「Mini Midi」を開催している。中国の新しい音楽についてのエッセイ5冊と詩集3冊を上梓している。www.yanjun.org

リュウ・ハンキル(Ryu Hankil)
1975年韓国ソウル市生まれ。韓国の2つの著名なインディーポップバンドのキーボード奏者としてそのキャリアをスタートさせるが、類型的な音楽とサウンドを作ることに興味を失い脱退。その後、韓国エレクトロニカの第一世代と言える自身のソロによるエレクトロポップのプロジェクト「Daytripper」を始動させ、2枚のアルバムを発表。その経験からさらに新しい手法を模索するに至り、現在は"放棄された物体"を使用した特異な音楽的ストラクチャーを追求、主にアナログ時計を"楽器"として使い即興演奏を行っている。05年から自身の主宰する「RELAY」「Manual」から CDやミニコミを発表、コンサート企画にも積極的で、韓国の新たな即興シーンを牽引する立役者のひとり。

ユェン・チーワイ(Yuen Chee Wai)
1975年シンガポール生まれ。デザイナー、写真家、サウンド・アーティスト、コンピューター/ピアノ奏者。ダンスや映画、テレビ/ラジオ番組のための作曲やサウンド・デザインを手掛ける一方、哲学と文化への強い興味に裏打ちされたコンセプトと、記憶というテーマを主軸に、ドローンやアンビエント、フィールド録音からアプローチした作品を制作。「hellokittyriots」「Light of the South」などのグループのメンバーでもあり、シンガポールを拠点とするサウンド・アーティストの集団「sporesac (Singapore Sonic Arts Collective)』の創立メンバーでもある。シンガポールの即興シーンの重鎮であると同時に、東南アジア、東アジアの音楽家のネットワークづくりにも力を入れている。

ザイ・クーニン(Zai Kuning)
シンガポール生まれ。母の胎内にいるときから歌うこととサウンドをつくることを始める。音楽はある一音から出発して内なる精神を発掘するためのツールである。



岡崎豊廣 toyohiro okazaki : electronics

電子音や生音源を素材とした即興演奏を行う。
1980年より演奏活動。バンド、negative disolute(約2年間)やインプロヴィゼーション
のライヴ活動をする。89年より現在までバンド、dislocation で活動。ソロ活動
は、shida から moss へ密かに移行。ユニットでは、sand machine、knot+over。


竜巻太郎

NICE VIEW TURTLE ISLANDのバンドでの活動をする、一般的でない、変態のドラム教師

全てがおかしく無ければおかしいという、哲学の元から、天災破壊竜巻太郎、という新たな人間性と可能性を見い出し、第一回D-1グランプリに出場。初代王座を獲得。そのエネルギーは止め処なく、プラグマティズムを常に志す、ドラマー超えてドラムにもなれるようになった、ドラマーの1人。


Ryoko Ono
小野良子 (sax,flute)
楽家。1998年ごろからアルトサックスの即興演奏を名古屋を中心に始め、国内外問わずに沢山のミュージシャンと共演する。即興演奏だけではなくファンク、ブルースバンドなどでも積極的にライブ活動をしながら、メジャー、インディーズ問わず様々なレコーディングも活発に参加しつつ活動の場を広げている。そして近年は小野良子オーケストラ(後にフルネームは恥ずかしいという理由でリョーケストラに改名)を結成し独自の言語にて作詞・作曲も手がける。最近の自身の演奏するサックスソロではノン・ブレスのサーキュレーションを巧みに駆使した循環奏法やマルチフォニックなど超絶技法を駆使して、絶え間なく豊かで複雑な音を放出している。


柳川芳命

77年よりアルト・サックスによる即興演奏を開始。『日本天狗党』との交流、デレクベイリー(g)のワークショップを経て、80年代は名古屋近辺の即興演奏家たちとライヴを行う。90年代には渋谷ジァンジァンにてソロ・シリーズ『地と図』を開催。(第1回のゲストは大友良英氏),一方,地元名古屋で岡崎豊廣、木村富士夫、清川桂史と『ディスロケーション』を結成。同時期に鈴木茂流(b)、松田和彦(g)と『サマーディ』を結成。94年には,映画『エンドレス・ワルツ』(監督・若松孝二)で、故阿部薫役・町田康氏のサックス演奏の吹替を担当。04年2月にはディスロケーションにてソウル公演。05 年には,名古屋のサックス奏者もQと若き書道家の早川大が他界し、貴重なパートナーを失うが、若き世代のプレイヤーとのセッションを始め,09年からは,名古屋千種『カルヴァドス』にてシリーズ『地と図』を再開。毎回名古屋の鬼才演奏家をゲストに即興ライブを持続。


プロフィール:
Craftwife(クラフトワイフ)は、7,80年代スタイルのテクノポップを、iPhone片手に演奏するテクノポップバンド。岐阜を拠点に、東京、名古屋、大阪、札幌、そしてベルリンを舞台に制作とライブ活動を行う。プログラミング言語SuperColliderを用いたリアルタイムの音響合成や映像サンプリングといったハイテクノロジーと、衣装デザイン、縫製といった奥様らしいスキルを融合。音楽、映像、デザイン、ファッション、言語といった領域を超え、メディアと知覚をテーマに「Craft - 作る!」という精神を尊重した制作活動をしている。第4回愛知芸術文化センターサウンドパフォーマンス道場入選。www.craftwife.com

mixi : http://mixi.jp/view_community.pl?id=3872636
twitter : http://twitter.com/Craftwife
youtube : http://www.youtube.com/watch?v=Kg_umbdSImo
youtube : http://www.youtube.com/watch?v=QUGKfC0SYck
youtube : http://www.youtube.com/watch?v=AYvGr6FvS3A
youtube : http://www.youtube.com/watch?v=GcFyy5OIKa0


桑山清晴

80年代後半より廃物、非楽器による音の制作を開始。99年から03年まで名古屋港20号
倉庫にてLethe. Voice Festival を主催。
Lethe名義でのソロでは、空き倉庫、地下シェルター、発電所の廃墟などで録音した
素材を"Catastrophe Point シリーズ"として発表。
http://www.lethe-voice.com/kk/
http://www.myspace.com/lethekk
lethekk@myspace.com

自身が主催しする「Billy?」は、93年結成、ラップトップ、電子音響、ノイズを中心にしたフリーミュージックを演奏する。国内外のアーティストと数多く共演している。また、自身のCDレーベル「TestToneMusic」から数枚の海外アーティストをリリース。「SpinozaDrone」「sand machine」「ガイユニット」といったバンドでも演奏している。

http://billy-music.net/
http://www.myspace.com/testtonemusic