「リンダリンダリンダ」山下敦弘監督

夜からホントは「頭脳警察」を観にいくつもりで用意してたのだけども、あんまし寒くて夜から外に出るのがつらくなって断念。へたれな私でがっかりだ。
せめておうちでDVDでも観よう。撮りためてあった映画はいっぱいあって、その中から「リンダリンダリンダ」を選ぶ。
いい映画です。好きです。
言ってみればなんでもない数日間の話。
でも高校生の学祭ってのは、なんでもなくなくって、ものすごーく大事な時間。
なんだけども、じゃあ今、私にとって高校生の頃の学祭ってどんだけ覚えている? 実は当日のことは覚えて無くって、準備期間のことばかり覚えていたり?
それでも、忘れてしまってても、なんでもなくなかった、ぎゅっと刻印した(筈の)時間。
映画の中で出てくる、教室の前の長い長い廊下。そこにいる同じ制服を着たたくさんの男の子、女の子。巣箱のようなたくさん並んでいる下駄箱と「ざら板」と呼ばれてた大きな木製のすのこ。下駄箱の前の暗くて広いフロア。
いろんなドラマや映画に私たちがかつて過ごした学校のそういう場所って出てくるんだけど、この作品の中のその場所はすごくリアリティがあったなあ。
夢の中に、学校って出てきます?
私は未だ、ちょいちょい出てきます。
大抵薄暗く、場所は下駄箱にある入り口と廊下、夕暮れの教室、教室の前の廊下、2棟に分かれた校舎と校舎を繋ぐ渡り廊下、校舎と体育館を繋ぐ、屋根だけしかない外に面した渡り廊下、体育館、そういうところが出てきます。
現実の、私の家のすぐそばにある中学校の中にいる中学生を見てると、中学生だった頃の自分と今の自分の距離はものすごく遠いのだけど、あの夢の中の風景は決してそんなに遠くは感じない。
そして、「リンダリンダリンダ」の中にある学校も香椎由宇ちゃんもペ・ドゥナも、みんなみんな遠くなく、とてもよく知ってるものだった。
山下監督はそーゆー風な感覚にさせるのがうまいよね。