「アサルトガールズ」押井守監督 ゴールド劇場

映画館はほぼ男性で、女性は私含めて2人? 3人?
押井守監督作品の実写版は「紅い眼鏡」以来観てないので、うわ、なんと観るのは23年ぶり?!
さて、映画が始まって、この映画ってどんな映画なのかなー?と予告編を観たときに想像してたものとは違っていたことに最初の数分で知り、その設定が頭にストンと入った時、私のアタマもゲーム開始!みたいな状況になってとても楽しめた。
で、押井守監督は実写も撮るけど基本はアニメーションの人で、アニメ作品というのは、もちろんその作業は細分化されてはいるけれども、なにがしろすべてはゼロから始まる。もともとの空の色も土の色も、ない。この時の空の色はこう、雲の形はこう、そこにある建物はこんな風で、風はこちらから吹く、と、すべてを決めて作っていくのだ。
アサルトガールズ」は実写だけどもまさにそんな映画だった。
空の色も土の質感も、人物の構図は勿論、その表情、その顔のしわ、ちょっとした首の傾け方まで、それ全部押井守監督の好きな「絵」じゃん? 好きな構図じゃん? と思えるような、押井守作品世界において既視感のある映像で、ここまでこの人は作りこんだんだなと、なにやらにやにやしたくなる。
その感覚が、この映画の中の設定と何か重なりを感じるのだ。
平和と安全と引き換えに得た退屈さや停滞に絶えうるために生み出された、ヴァーチャルな世界。現実を存続させるための虚構であり、その虚構の中にある現実。入れ子入れ子。(あ、この映画のあとで何故か現実の雑貨屋さんでマトリョーシカをいっぱい見たぞ)。
その構造が、押井守監督のアニメーションと実写を巡るなにものかにも似ているような気がしたんだ。
ちょっとうまく言えないんだけど。
とにかく、想像していたよりもずっと面白かったな!
そんで前日に見た「ライブテープ」と「アサルトガールズ」をつい比較しちゃって、その真逆の技法がそれぞれ面白かった。