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- 作者: 桜庭一樹
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2008/10
- メディア: 単行本
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この前作の「桜庭一樹読書日記」、買って読もう。
「私の男」で直木賞を受賞(2008年)した桜庭一樹。ほかに「少女七竈と七人の可愛そうな大人」、「赤朽葉家の伝説」(日本推理作家協会賞を受賞)など。
私がこれまでに読んだのは、「私の男」「青少年のための読書クラブ」「GOSICK」の3冊のみ。
さて、桜庭一樹という人はものすごい本読みの人らしいのだ。というわけで、この本なんですけど、桜庭一樹のチョイスしていく作品は、そんなに私の嗜好に合ってないと思うのだけど、彼女の本読みとしての姿勢に感銘を受けるし、そしてこの本での彼女の作品に対する愛情の形がとても好き、そして紹介の仕方がとても良くて、そうすると私にとって元からの嗜好にはなかったそれらの作家、そして本を、読んでみようかなあという気持ちにさせられるのです。
作家桜庭一樹と、彼女を取り巻く東京創元社や角川などの担当編集者のどっぷり本読みな会話と関係もとても素敵で面白い。
で、直木賞受賞後、取材が増えた時の事で、こんな表記があった。
「疲れの原因は多忙もあるけれど、受賞の後にきたたくさんの取材が、いままでと勝手が違ってたせいもある。これまでは(中略)取材に来る人も本読み業界の人ばかりで、つまりはみんな、あの幻の読書クラブのOBだった。(中略)でも受賞後は、外の世界の、生徒会(支配者)や演劇部(スポットライト)のOB達が取材に来る(後略)。
本を読むと言う行為はやっぱり変わった行為だから、(後略)
これからも見知らぬ白い光はデコにときどき当たるだろうけど、その光は私の知らない光。でも確かにこの世にある光。
私はその中でけして変わるまいとすること、絶え間なく考え続けることを同時にやってのけねばならない。」
ここで出てくる「読書クラブ」などの単語は、「青少年のための読書クラブ」、または「GOSICK」などを読むと、桜庭一樹と図書館、または本のある場所、本に埋もれる生活、などが透けて見えてきて、この発言の意味するところもわかりやすくなってくる。
また、私が読んだたかだか3冊だけども、そこに出てくる少女たちはみな、少女の頃に少女のままで完成され、そのまま朽ちていく姿を想起させるような老少女で、それらのキャラクターの出自みたいなものも、この読書日記を読むことでなにやら見えてきたなあ。