ネタバレなし「SPEC〜天〜」の見られ方

「SPEC〜天〜」を見終わって劇場を出てきたとき、どうも観客の雰囲気が低温な気がしたんだ・・。昨日私が行った回の観客がたまたまそうだったのかのかもしれないけれども。確かに高揚感のないエンディングだったかもしれないけれども。
しかし、後ろの席に居た女子高生が「私、ドラマの方、途中から観てなかったんだよねー」と話してる声がしてちょっとびっくりした。これ、ドラマと先日のスペシャル版「スペック〜翔〜」を観てないと、多分設定がわかりにくいのではないの?楽しめなかったんではないの?
もしや、実際に劇場に足を運んだ人の何割かが、ドラマなどを観ずに来たのかなぁ。いやまさか。などと、そのことがなんだかとても気になってきた。
勿論、ふらっと映画を見に来て、それが存外楽しかった、という映画の楽しみ方があるのは承知で、それは置いといて。
「SPEC」に関しては、ドラマを毎週真剣に観て、仕込まれてる小ネタを楽しみつつ話の中に隠された謎を一緒に考えたりして、時折録画を見返したりして、その後先日のスペシャル版を観て、そして映画に挑むのがいいのじゃないかしら。この中に織り込まれた大小様々な「情報」を嗅ぎ分けて楽しむものじゃないかしら。
もしも「SPEC〜天〜」に来ている観客がそういう待ち望み方をしていないとしたら、ドラマ「SPEC」自体にそういう訴求力がなかったのか、それとも一般にテレビを観ている人たちがそういうねっちりとした楽しみ方をあまりしなくなったのか、ということか。どっちなんだろ。
何故か「劇場版ヱヴァンゲリヲン」のことを思った。随分と待たされているにも拘らず、ヱヴァ観客のモチベーションはそんなに下がっていないような気がするのだけれども、どうだろう。
「アニオタ」と呼ばれる人たちのことも考えた。や、アニメに限らないのだけど、「オタク」というのは自分独自の解析や読解を見つけてそれを楽しむことが出来る人たちのことだと私は思っている。
「SPEC」はそういうオタクな人たちをどれだけ獲得したんだろう。この映画の成功や行く末はそれにかかっているのじゃないかと思うんだ。